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在宅療養コラム~終末期ケア(ターミナルケア)編その3

第3回目はSORAで関わらせていただいたご利用者様の例も交えながら、
終末期を迎えた方のリハビリではどんなことができるのかをご紹介させていただきます。

リハビリというと、頑張って運動して何かができるようになるといったイメージが強く、
終末期の方に一体何をするの?と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ご承知のように、終末期において機能の改善は困難であり、
ご本人の苦痛(体の痛み、心の痛み)を和らげ生活の質(Quality of life=QOL)を保つということが
リハビリテーションの目指すところとなります。

実際には、

  • リラクゼーションやポジショニングで疼痛や倦怠感、呼吸困難感の軽減
  • 福祉用具の提案、選定
  • ご本人への動作方法のアドバイス、練習
  • 介助者への介助方法のアドバイス、練習

等を行っています。

 

では、2人の利用者様の事例をご紹介します。

【80代女性Aさんの場合終末期の受け入れをお手伝いするリハビリ

がん末期で80代の旦那様とお二人暮らし。
介入時はベッド上の生活でしたが、ご本人、旦那様ともに「歩けるようになりたい」との思いがありました。
がんの多発骨転移があり、歩行は困難な状況でありましたが、ご本人、ご家族の思いを傾聴して、
少しずつベッド上で身体を動かしたり、座る練習から始めましょうとご提案させていただきました。

体位変換もご家族やヘルパーさんでは大変であったので、スライディングシートを導入し、使い方を一緒に練習しました。
スライディングシートはご本人自身も身体を動かしやすく、ご自身で身体を動かせたとの実感があり、
「楽しい」と感想を仰っていました。

旦那さんは、病状が進行しても、もっとできるのではないか、と、ご本人に「頑張れ」とお声掛けしていました。
リハビリスタッフは、いま出来ること、出来ないことをお伝えし、理解を求めるとともに、
奥様の機能低下をなかなか受け入れられない旦那様の思いを関わるスタッフ皆で傾聴していきました。

 

【90代女性Bさんの場合】ご本人とご家族の願いを叶えるリハビリ

大腿骨の骨折後にベッド上生活となり、娘さんとお二人暮らしをされていました。
リハビリ介入時には上下肢の関節の拘縮があり、体位交換やおむつ交換で痛みを訴えることが多くありました。
また、傾眠傾向でご挨拶はされるものの訪問中はうとうととされていることがほとんどでした。
ポジショニングでなるべく安楽な姿勢が取れるように調整したり、
ケア中に痛みが生じないように関節可動域訓練やリラクゼーションを実施しました。

往診医からそろそろ看取りの時期だと話が出たころに、
娘さんから車いすに乗せてお庭を見せてあげたいとのご希望が聞かれました。
身体に拘縮があり坐位姿勢をとれないことから、リクライニング車椅子をレンタル、
また、トランスファーボードも使用してご本人に苦痛を与えないような移乗の仕方をご提案し、
スタッフ、ご家族で協力して車椅子に乗りました。

亡くなる数日前でしたが、ご本人はこの時ばかりは覚醒し、
お庭を眺め「緑がきれいね」と言葉を発され、娘さんも大変喜ばれました。

 

以上のように、終末期においてはご本人への働きかけはもちろんのこと、
ご家族(がいらっしゃる場合)への働きかけも重要となっています。
ご本人が最後の時間をなるべく安楽に過ごせること、
ご本人ご家族が少しでもほっとできたり笑顔が出たりする時間が持てるよう、
「ご本人・ご家族のQOLの向上」を心がけて介入させていただいています。

そして、これまでの回で述べてきたように、
ご本人やご家族、関わる全てのスタッフが方向性を統一し、チームでのケアが重要となります。
今回は、多職種が連携する中でのリハビリのかかわりについてご紹介させていただきました。

 

参考:
日本作業療法士協会 https://www.jaot.or.jp/
日本理学療法士協会 https://www.japanpt.or.jp/

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