贈る言葉シリーズ〜利用者様の想い出(帯状疱疹後神経痛)
SORAのスタッフの心に残った利用者様の想い出をご紹介する
”贈る言葉シリーズ”。第19回です。
(利用者様について簡単なご紹介をお願いします。)
90代前半の女性です。娘様ご家族と同居されていました。
認知症で全介助状態になり、さらに帯状疱疹に羅漢してから食事量が激減し、
SORAが介入した時には覚醒している時間もごくわずかになっていました。
娘様がずっと介護しておられましたが、最期までご自宅で過ごさせてあげたいという想いで
在宅でお看取りの方針となり介入させていただきました。
(最後の訪問時のご様子はいかがでしたか?)
意識レベルは低下していたため、会話をすることはできませんでしたが、
お耳は最期まで聞こえると言われていることから、吸引を行うときなどは積極的にお声かけを行いました。
元々食べることが好きでテレビに食べ物が映るとよく反応していたそうで、
経口摂取ができなくなった今、スワブにジュースを付け口の中に入れてあげることもあると
娘さんよりお話しがありました。
お酒も好きであったことから、ケアマネさんより「最期は舌の先にお酒を付けてあげたらどうですか?」
と提案がありました。
娘さんは、「いや、焼き肉のタレかな!」と仰っていたことが印象的でした。
(ご本人との想い出は?)
意識が朦朧とする中、私が挨拶をすると閉眼したまま元気よく
「こんにちは!」と言って下さったのがとても嬉しく思いました。
(ご本人、ご家族にお伝えしたいこと)
生前、「具合が悪くなっても入院はしない。自宅で過ごすからね。」と言って、
元気な70歳の頃に介護ベッドを購入したそうです。
一人っ子でお母さん思いの娘さんは、それを叶えてあげられたのではないかと思います。
介護士である娘さんは訪問介護も利用せず、お一人でいつも懸命に介助をされてきました。
その姿を目の当たりにし、私はいつも親子愛を感じていました。
家族には色々な形の「愛」がそこにあることを学ばせていただきました。
介入から短い間の関わりではありましたが、感謝の気持ちでいっぱいです。
どうもありがとうございました。
心よりご冥福をお祈りいたします。