在宅療養コラム~終末期ケア(ターミナルケア)編その2
前回のコラムでは終末期(=ターミナルケア)についてお話をさせていただきました。
私たちSORAのスタッフはこれまで多くの利用者様と関わらせていただき、ご自身で施設を選ばれる方、
自宅で過ごすことを願っていながらも残念ながら病状により入院することになり病院先で最期を迎えてしまう方、
最期まで自宅で過ごすことを願い自宅で最期を迎えることができた方など様々です。
今回は、「最期まで自宅で暮らすという選択をした人への関わり」について事例を交えながらご紹介させていただきます。
【利用者様のご紹介】
- A様、90代男性 奥様と二人暮らしでしたが介入途中で急逝される。お孫さんが遠方に在住。
- 病名:脳梗塞、心房細動にてペースメーカー装着、気管支喘息、腰部脊椎管狭窄症、緑内障、パーキンソン病等
- 訪問看護依頼の背景:202*年1月、加齢や筋力低下によりADL悪化や体調不良が見られ、
体調管理や服薬支援、清潔ケアで看護師が介入。ADL低下に対してリハビリスタッフが介入。
【経過】
202*年1月介入開始後、その年奥様が急逝され、その後独居となられます。
リハビリスタッフと一緒に散歩などもできるようになりましたが、転倒も繰り返しておりました。
また、奥様が亡くなられてから精神的に不安定になることも増え、周囲に不安感などを訴えられておりました。
長期にわたり訪問看護が介入しておりましたが、徐々に体力の低下や精神的な不安感の増強が出現します。
看護は24時間体制でご本人から体調の相談やお気持ちの不安感の訴えを傾聴し、ご本人に寄り添った看護を続けておりました。
介入して3年ほど経過した頃には転倒する回数も増加、病状も不安定になり、ほぼ寝たきりとなられました。
その頃、転倒した際に大きな傷ができてしまい、SORA看護師による毎日のケアと傷の処置が始まります。
その数週間後、病状は悪化し、穏やかな表情でご自宅で息を引き取られました。
【ご本人の自宅で過ごしたいという強い思いを尊重する】
介入当初より、「死ぬまでお家で過ごしたい!」と話されており、
奥様が亡くなられた後も、「奥様と過ごした家を離れる気はない、入院はしたくない」とご自身の意思をしっかりと周囲に伝えられておりました。
1度息苦しさから緊急搬送され数日間の入院をされましたが、それ以降は体調が悪化しても「入院はもう嫌」とご自身の思いを強く訴えられました。
その思いを傾聴することが多かった看護スタッフが中心となり医師や関わる全ての職種とご本人の思いを共有、自宅で過ごせるような体制づくりに繋がり、
お亡くなりになるその最期の日まで自宅で過ごすことができました。
【看護やリハビリ、介護サービス、そして家族や地域の人が一体となって切れ目のないケアを繋いでいく】
お一人暮らしをされる方にとって最期まで自宅で過ごすためには医療だけではなく、日々の介護を担う介護サービスやご家族、
さらには地域の人々の協力や連携なしではなかなか難しいのが現状です。
この方も奥様がご存命の頃はお二人で助け合いながら少しの医療と介護サービスの力を借りて自宅で過ごすことができていましたが、
奥様が亡くなられ、お一人では生活することが難しくなりました。
そのため自宅生活を継続できるようケアマネージャーと共に日程調整をし、より手厚い医療や介護サービスの支援がスタートしました。
以下はSORAスタッフが行った具体的な支援内容です。
- お一人で受診することが困難となり、自宅にいても今までと同じ医療が受けられるよう主治医へ訪問診療を依頼。
- 介入しているリハビリスタッフやヘルパーさんの情報をもとに看護師がご本人の状態をアセスメント、主治医と連携を図り医療を継続していく。
- 病状が進むにつれてお一人では食事や排泄も困難になるため、医療や介護の枠を超えて、全てのスタッフでご本人の生活を支援していける体制づくり。
- 毎日介入されていたヘルパーさんとノートや電話にて情報共有を欠かさない。
- 遠方在住のお孫さんや見回りをしてくださっていたご近所の方とも関係性を築き、ご本人を交えて情報を共有。
このようにSORAのスタッフや主治医、ヘルパーさんやケアマネージャーなどの介護サービス、家族や地域の方が一丸となってご本人が生活できる環境を作り上げ、
そして関わる全ての人が一体となって支援にあたり、最期の日まで切れ目のないケアを実現できました。
自宅で最期まで過ごす、というのは、ご自身の意思と周囲の環境や支援体制、すべてが整うことで実現するため、なかなか難しいものではあります。
また、小さな体調の変化にも気付けるように訪問看護スタッフや日々介入する介護サービスがしっかりと連携をとる必要性があります。
今回の事例では多職種が連携を取ることでご本人の希望する、「最期まで自宅で過ごしたい」という希望が叶った事例となりました。
訪問看護リハビリステーションSORAでは終末期の患者様に対して、リハビリスタッフも活躍しています!
そこで次回は「終末期を迎えた方へのリハビリ」についてご紹介いたします。