(利用者様について簡単なご紹介をお願いします。)
80代で一人暮らしの女性です。ALS(筋萎縮性側索硬化症)を1年前に発症し、ろれつが回らない構音障害の症状が出ていました。
(ケアマネからはどのように依頼されましたか?)
ケアマネージャーを通じてご紹介いただきました。
その時点では構音障害以外の症状は出ていませんでした。このため、比較的自立して生活ができていたのですが、病気の進行に伴いできないことが増えてくることが予想されるので、様子を見てほしい、というお話でした。
(利用者様にはどのような対応をしましたか?)
最初は週1回バイタルサインを測り、体調を伺っていました。
しかし、構音障害に加えて徐々に嚥下障害が出てきました。それによって食事が摂れなくなりましたが、「胃ろうは絶対に作りたくない」という強いご要望があったので、点滴での栄養補給という形を取りました。
また病気の進行に伴う筋力低下により体力も低下していたため、入浴介助もしていました。リラクゼーションの意味で、脚のマッサージをするなどのケアも取り入れていました。最終的には最低でも週3回は訪問するようになりましたね。
(利用者様からはどのような言葉をかけてもらいましたか?)
「ありがとう」と言ってくれました。元々しっかりしている方で、私たちへの遠慮もあったのか、あまり「辛い」や「これをやってほしい」などは言わず、一人で頑張ろうとする方でした。
しかし病気が進行していく中で、辛いことも訴えてくれるようになり、ケアを受け入れて「ありがとう」と言ってくれました。
また、桜の写真を見せたら喜んでくれました。最後の方は鬱傾向にあり、ずっと暗い部屋で寝ているという状態が続いていました。車いすで外に出かけることを提案してみたのですが、「外には出たくない」と言っていました。ちょうど桜の季節だったので、「外に出られないのならせめて写真だけでも見せてあげよう」と思い、桜の写真を見せたところ、喜んでくれたので、私も嬉しくなりましたね。