贈る言葉シリーズ〜利用者様の想い出(悪性リンパ腫・独居)
SORAのスタッフの心に残った利用者様の想い出をご紹介する
”贈る言葉シリーズ”。第二回です。
(利用者様について簡単なご紹介をお願いします。)
悪性リンパ腫の右頸部巨大腫瘤により入退院を繰り返していた方です。
1ヶ月入院して化学療法など治療をし、1週間程度帰宅するというサイクルでした。
独居の方でしたので、帰宅時は訪看だけでなく他サービスも活用して、
毎日誰かが見守りする状況でした。
(最後の訪問時のご様子はいかがでしたか?)
倦怠感と頭痛が強く、表情からもお辛い様子がうかがえました。
臥床して会話をするご本人を目の当たりにし、
”もう会えるのも今回が最後になるのかな…”と実感しました。
(ご本人との想い出は?)
自宅に戻れるのは今回が最後かもしれないこともあり、
特別指示での土日の訪問にも率先して対応を希望しました。
よく近くのトキワ荘マンガミュージアムまで屋外歩行しました。
一見頑固で無口な印象の方でしたが、お話しするとおっとりとして優しく、
どこか故郷の父親を感じさせられるような雰囲気をお持ちでした。
故郷も近く、たくさん地元のお話をお互いにしましたね。
訪問が2ヶ月空いてもちゃんと私のことを覚えてくださっていたことがとても嬉しかったです。
(ご本人、ご家族にお伝えしたいことは?)
「次会えるのは来月ですね。」と伝えると、
「そうだな。来月になるか。」と返してくれました。
涙が出そうになるのを堪えました。
もう帰れないことはきっと分かっていたはずです。
そのまま約3週間後に病院で帰らぬ人となりました。最期まで優しい人でした。
たった数ヶ月の関わりがまるで何年も前から知っているような存在だったAさん。
私に生きる大切さを教えてくださり、ありがとうございました。
どうぞゆっくり休んでください。
心よりご冥福をお祈りいたします。