贈る言葉シリーズ〜利用者様の想い出(前立腺がん・留置カテーテル)
SORAのスタッフの心に残った利用者様の想い出をご紹介する
”贈る言葉シリーズ”。第26回です。
(利用者様について簡単なご紹介をお願いします。)
90代の男性です。前立腺がんを患われて尿閉あり、膀胱留置カテーテルを使用されていました。
奥様と二人暮らしでしたが、近隣にお住いの息子様も協力されて、
訪問診療、訪問介護のサービスを利用しながら生活されていました。
奥様が転倒骨折し入院されたタイミングで、ご本人もご自宅で転倒し創傷をおってしまい、
創傷処置、清潔ケア、排便コントロールの目的でSORAも介入しました。
残念ながら、ご自宅で転倒し救急搬送された後、入院中に帯状疱疹を発症され、
回復後施設に入所されましたが、ほどなくお亡くなりになったとご連絡をいただきました。
(最後の訪問時のご様子はいかがでしたか?)
Sさんは体調の悪さはありながらも看護師が伺うとできる限り体を起こして待っていて下さる方で、
この日もいつものように迎えて下さいました。
食事やこまめな水分摂取、トイレへの移動など最低限の身の回りのことは可能でしたが、
体力的にも座っていることのできる時間や希望されるケアの内容は限定的になりつつありました。
(ご本人との想い出は?)
「点滴だけはどうか勘弁して下さい。」
「点滴は大敵です。」
と仰られていたのがとても印象に残っています。
日頃より水分摂取は意識されていたようですが、
どんなに調子が悪い日でも1時間おきに水分補給をしていると話されていました。
よほど点滴を避けたかったのだと思います。
(ご本人、ご家族にお伝えしたいこと)
入所先での最期となりましたが、きっとSさんらしく迎えられたと思っています。
入院されていた奥様が戻られ、
わずかな期間ではありましたがご自宅でお二人での生活を過ごすことができたのも
Sさんには心強かったはずです。
傍で支えて下さる息子様にも日々とても感謝されていました。
心よりご冥福をお祈りいたします。